多くの人が行き交う駅のホームでは、鳩の糞害が利用者からの直接的なクレームや衛生トラブルに直結しやすく、施設管理者にとって非常に頭の痛い問題です。特に、駅という公共性の高いインフラ設備においては、一般的な商業ビルやマンションでの鳥害とは比較にならないほどの深刻な被害をもたらします。
鳩の糞は単に景観を損なうだけでなく、強烈な悪臭を放ち、クリプトコッカス症といった呼吸器系の健康被害を引き起こすケースも少なくありません。さらに、駅特有の複雑な構造や、列車運行に関わる厳格な安全基準があるため、一般的な鳥害対策業者では対応できないケースも少なくありません。
本記事では、鉄道会社や駅の施設管理を担当される方に向けて、なぜ駅に鳩が執拗に居座ってしまうのかという根本的な原因から、夜間の短時間施工や架線・風圧対策といった駅特有の厳しい安全基準をクリアするための具体的な対策ノウハウまでを網羅的に解説します。単なる目先の対策ではなく、確実にトラブルを防ぎ、利用者と従業員の安全な環境を守るための実践的な知識としてお役立てください。
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目次
駅のホームで発生する鳩被害とは

駅のホームには、梁や照明、看板など、鳩が外敵から身を隠し、羽を休めるのに絶好の場所が無数に存在します。駅は人間の生活圏と密接に結びついていながら、皮肉なことに鳥たちにとっても「安全で快適な巨大シェルター」として機能してしまっているのです。
ここでは、駅のどのような構造部に被害が集中しやすいのか、そしてそれが乗客への糞の落下や清掃員の過度な負担といった、深刻なクレームや実害にどう繋がっていくのかを具体的に解説していきます。
ホーム・待合スペース・看板・照明・梁まわりに多い糞害
駅のホームには、鳩が雨風をしのぎ、安全に休める場所が数多く存在します。特に狙われやすいのが、屋根を支えるH鋼(鉄骨)の隙間、照明器具の裏側、案内板や時刻表看板の上部、さらには配管の裏側など、狭く入り組んだ箇所です。
鳩にとって駅が「最強の安全地帯」となる理由
自然界において、鳩の天敵はカラスやタカなどの猛禽類です。しかし、駅のホームの天井付近にある複雑な鉄骨構造は、体の大きなカラスなどが入り込むことが難しく、鳩にとっては天敵の攻撃から完全に身を守ることができる「城」となります。
さらに、強風や横殴りの雨、冬の厳しい寒さからも守られるため、一度定着するとその場所に対する強い執着心を抱き、多少の威嚇や簡易的な対策では決して離れようとしません。
放置による被害の拡大
これらの場所に定着すると、真下に大量の糞が落下し続けることになります。床が白く汚れるだけでなく、点字ブロックの隙間に糞が入り込んで固まり、美観を著しく損ないます。
あっという間に糞が山のように堆積し、強烈な悪臭を放つ原因となります。駅特有の複雑な構造を正確に把握し、鳩が入り込める全ての隙間を物理的に完全に塞ぐことが、根本的な対策の第一歩となります。
乗客への糞の落下や清掃負担がクレームにつながる
駅のホームにおける鳩の糞害は、乗客への直接的な被害へと直結します。駅は日常的に多くの人が利用するため、頭上からの糞の落下リスクは常に高く、駅の運営に対する重大なクレーム要因となります。
衣服や荷物への落下と賠償問題
「乗客の頭や衣服に糞が落ちた」「通勤カバンが汚れた」といったクレームは、駅員への直接的な苦情として寄せられます。場合によっては、衣服のクリーニング代や持ち物の弁償といった補償問題に発展する可能性があります。
特に朝夕の通勤ラッシュ時や、スーツ姿のビジネスマン、旅行前の利用客にとって、糞による汚れは非常に強い精神的ダメージを与え、駅全体に対する信頼感の低下を招きます。このようなクレームが発生した際は、迅速な応急処置(清掃や注意喚起のコーン設置)と、計画的な本格施工の両立が早急に求められます。
清掃員の精神的・肉体的負担(イタチごっこ)
また、糞による汚れは清掃員の大きな負担となります。鳩の糞は酸性が強く、乾燥するとコンクリートや金属の塗装にこびりついて簡単には落ちません。清掃スタッフが毎朝デッキブラシで必死にこすり落とし、消毒を行っても、翌朝にはまた同じ場所に大量の糞が落ちているという絶望的な「イタチごっこ」が繰り返されます。
清掃してもすぐに汚されてしまうという悪循環は、現場スタッフのモチベーションを著しく低下させ、清掃コスト(人件費や洗剤代)の無駄な増大を招きます。この悪循環を断ち切るためにも、その場しのぎの清掃ではなく、鳥を物理的に寄せ付けない専門的な鳥害対策が急務となるのです。
なぜ駅のホームに鳩が集まりやすいのか

鳩は非常に賢く、帰巣本能と特定の場所に対する執着心が極めて強い鳥です。一度「ここは外敵がいなくて安全だ」「近くに豊富な餌がある」と学習し、居心地の良い場所を見つけると、少々追い払われた程度では簡単には離れません。
ここでは、食べ残しや意図的な「餌やり」といった駅周辺の環境要因と、複雑な構造物によって形成される「安全な待機場所」が、どのようにして鳩を駅へ引き寄せ、最終的に強固な巣を作って定着させてしまうのか、そのメカニズムを紐解きます。
食べ残し・ゴミ箱・餌やりが鳩を呼び寄せる原因になる
駅に鳩が定着してしまう最大の環境的な原因の一つが「餌」の存在です。駅は多くの人が集まるため、それに比例して鳥の食料となるものが豊富に存在します。
食べこぼしとゴミ箱の問題
駅周辺や構内にはファストフード店、売店、ベンチなどが多数あり、そこでの食べこぼしが鳩を呼び寄せる最初のきっかけとなります。
また、屋外に設置されたゴミ箱から溢れたゴミや、適切に管理されていない廃棄物も、鳩やカラスにとっては絶好の餌場となります。鳥たちは上空から広範囲を見渡し、「人が集まる場所=食べ物がある場所」として正確に認識しています。
非常に厄介な「意図的な餌やり」
さらに被害を深刻化させ、対策を困難にするのが、駅の利用客や周辺住民による意図的な「餌やり」です。動物愛護の精神からの善意で行われているケースも多いのですが、これが鳥害対策の観点からは致命的な問題を引き起こします。
鳩は「どこで、誰が、いつ餌をくれるか」を正確に記憶する知能を持っています。一度そこが安定した餌場だと認識されると、どれだけ駅側が屋根裏にネットを張ったり忌避剤を塗ったりする物理的な対策を行っても、餌を求めて執拗にその周辺(駅前のロータリーや電線、駅舎の入り口など)へ戻ってこようとします。
被害を根絶するためには、専門業者による確実な物理的対策(防鳥ネットなど)を施すことに加え、フタ付きのゴミ箱への変更や清掃の徹底、そして何よりポスターや構内アナウンスを活用した「餌やり禁止」の啓発活動など、駅側と協力した環境づくりが絶対に欠かせません。対策は「物理的な防御」と「環境的要因の排除」の両輪で進める必要があります。
梁・屋根・照明など、鳩が止まりやすい場所が多い
前述の通り、駅は鳩にとって天敵から身を守る絶好のシェルターですが、それは駅という建築物が「一般的な商業ビルにはない特有の複雑な構造」を持っているからです。
複雑な鉄骨構造と無数の隙間
駅のホームの屋根を支える無数のH鋼、複雑に入り組んだ配管、大型の案内サインや照明器具の裏側、さらには屋根の波板と鉄骨の間に生じる「面戸(めんど)」と呼ばれる隙間など、駅には鳥が入り込めるデッドスペースが無数に存在します。
これらの隙間は、鳩が巣を作るための基礎としてピッタリのサイズ感であり、風雨を完全にシャットアウトできるため、雛を育てるのに最適な環境となってしまいます。
カラスによる架線(高圧線)ショートの甚大なリスク
駅の鳥害において、鳩の糞害と並んで絶対に無視できないのが「カラスによる架線トラブル」です。カラスは鳩よりもさらに知能が高く、巣作りの材料として木の枝だけでなく、金属製の「ハンガー」や「針金」をどこからか拾って運び込む習性があります。
この金属製の材料を口にくわえたカラスが、列車の運行に欠かせない架線(高圧線)の周辺を飛び回ったり、架線のすぐ近くの鉄骨に巣を作ろうとしたりした際、ハンガーが架線に接触してしまうとどうなるでしょうか。大規模なショートや発火事故が発生し、停電による列車の運行停止という甚大なインフラ障害を引き起こす恐れがあります。
電車のダイヤが乱れれば、数万人の利用客に影響が及び、鉄道会社としての信用問題にも直結します。そのため、駅における鳥害対策は、単に「屋根の裏側や鉄骨の隙間にいる鳩を追い払う」というレベルに留まらず、架線付近の防護対策や、カラスの侵入ルートを遮断するなど、鉄道施設全体の安全と運行スケジュールを見越した極めてプロフェッショナルな視点と施工計画が求められるのです。
駅のホームで鳩対策を行う際の注意点

これまで解説してきたように、駅の鳩対策は一般的なオフィスビルやマンションの対策とは比較にならないほどの高い難易度と、極めて厳格な安全基準が求められます。
安価な対策グッズを使用することによる落下事故のリスクから、終電後のわずかな時間で行わなければならない夜間施工のプレッシャー、さらには新幹線通過時の強烈な風圧や、架線(高圧線)への配慮まで。ここでは、駅という特殊環境ならではの安全管理の実態と、絶対に失敗が許されない施工のポイントについて詳しく解説します。
樹脂製剣山など中途半端な対策では再発することがある
駅の鳩対策において、予算を抑えるために安価な「樹脂製剣山」などの簡易的な対策で済ませることは、結果的に被害を再発させるだけでなく、重大な事故を引き起こす大きな原因となります。
鳩に突破される樹脂製剣山
特に樹脂製剣山は、鳩対策として十分な効果を発揮しない場合があります。一見するとトゲトゲしていて鳥が止まれなさそうに見えますが、鳩は非常に執念深く、学習能力の高い鳥です。彼らは樹脂製の柔らかいトゲを器用に押し退け、時にはその上を悠々と歩き回ります。

さらに最悪なケースとして、樹脂製剣山の上に小枝を運び込み、剣山自体を「巣の安定した土台」として活用して直接巣を作ってしまうケースが後を絶ちません。
落下による大事故と損害賠償リスク
さらに、樹脂製剣山は屋外の過酷な環境(直射日光による紫外線や、激しい温度変化)に晒されることで経年劣化が早く、すぐに脆くなって割れてしまいます。
効果が限定的ですぐに被害が再発するだけでなく、劣化して破損した剣山本体や、固定が外れた対策グッズが、ホームで電車を待つ乗客の頭上に落下する大事故につながる恐れがあります。もし第三者に怪我をさせてしまった場合、駅の管理責任が問われ、多額の損害賠償問題に発展しかねません。
二重の安全処置と本格的な対策の重要性
弊社では、駅での施工において安全性を最優先し、鳩が押し退けることが絶対できず、上に乗ることも不可能な「鉄製剣山」を適材適所で採用します。その上で、万が一の固定外れに備えて、接着剤だけでなくワイヤー等を用いた「必ず二重の落下防止措置」を施します。
目先の安さで中途半端な施工をして被害の再発を繰り返し、そのたびに夜間作業のコストをかけるよりも、初期費用がかかったとしても長期的な安全性とメンテナンスコストを考慮した本格的な対策(隙間を完全に塞ぐネット施工等)を行うことが、結果的に最も費用対効果が高く、何より安全なのです。
夜間施工・落下防止・風圧対策など駅ならではの安全管理が重要
駅での対策工事が一般的な現場と最も異なるのは、「圧倒的な時間的制約」と「線路上という特殊な作業環境」です。
終電から始発までの限られた時間での施工
駅のホームにおける施工は、利用客の安全を確保し列車の運行を妨げないため、原則として列車の運行が完全に終了した「深夜1時から4時頃」という極めて短い時間内に限定されます。
この実質2〜3時間というわずかな時間の中で、作業員たちは「駅への立ち入り・資材の搬入」「作業足場や高所作業車のセッティング」「実際の鳥害対策工事」、そして「始発に向けた完全な撤去と清掃」の全てを終わらせる必要があります。
万が一、作業が長引いて始発の運行に遅れが生じるようなことは絶対に許されません。そのため、毎晩の作業ごとに綿密な工程を組み、高い技術力をもったメンバーが無駄のないチームワークで安全に施工します。
専門車両の使用と点検車両への警戒
また、線路上やホームの端での作業には、一般的な仮設足場だけでなく、線路を走行できる専用の高所作業車(保線車両)を用いるケースがあります。このような特殊車両の手配や操作には専門的な資格と実績が必要です。
さらに、夜間で一般の電車が止まっている時間帯であっても、線路の安全を確認するための「点検車両」が走ることがあります。そのため、作業中であることを示すパトランプの設置や、見張り員の配置、架線の電源が確実に落ちているかの確認など、一般的な足場作業とは全く異なる特殊な環境下での徹底した安全管理が行われます。
日本鳩対策センターでの駅の鳩対策・鳥害対策
日本鳩対策センターが多くの鉄道会社様からご指名をいただき、他社で断られた高難易度な案件を引き受けている最大の理由は、鉄道施設特有の構造とリスクを完全に理解した独自の工法を持っているからです。
新幹線の風圧と「面戸」のジレンマ
駅の鳥害対策において、特に新幹線が停車・通過する駅で最も注意すべき点の一つが「風圧」です。
鳥の侵入を防ぐためには、屋根と鉄骨の間に生じる「面戸(めんど)」と呼ばれる開口部を完全に塞ぐのが基本です。しかし、新幹線が高速で駅を通過する際、ホームには台風並みの強烈な突風(風圧)が発生します。もし鳥を防ぐために隙間をパネル等で隙間なく完全に塞いでしまうと、この強烈な風圧の逃げ道がなくなり、風をまともに受けた屋根材が吹き飛び、最悪の場合は屋根が丸ごと飛散して大惨事につながる危険性があります。
風を逃がし、鳥は防ぐ「特殊ネット工法」
「鳥の侵入を防ぐために塞ぎたい」が「風を逃がすために塞げない」。このジレンマを解決するため、弊社では風圧計算を行った上で、風を安全に通過させつつ、鳥の侵入は絶対に許さない「はめ込み式の特殊ネット」を使用するなど、鉄道施設の構造力学と安全性を完全に理解した独自の工法で施工を行っています。
綿密な打ち合わせと実績による信頼
駅における施工は、単に鳥を防ぐネットを張れば良いというものではありません。駅の運営や安全管理に関する厳しい基準をクリアすることが大前提となります。点検車両の走行予定の把握、夜間の架線の電源状態の確認、万が一の緊急時の連絡体制など、着工前の段階で駅運営側との1分単位での綿密な打ち合わせが不可欠です。
駅での施工は安全基準が非常に厳しいため、全体的な対策には専門的な計画立案能力と、何より「鉄道施設での確かな実績」を持つ業者が求められます。日本鳩対策センターでは、鉄道会社様からの極めて厳しい要求水準に応え続け、安全かつ確実な環境改善を実現しています。
よくある質問
駅の施設管理者様や鉄道会社のご担当者様から、弊社に寄せられることの多い代表的なご質問とその回答をまとめました。
Q. タイトな時間内にできるのか?(作業可能なのが実質2〜4時間程度)
A. はい、十分に対応可能です。駅のホームでの施工は、利用客の安全確保のため終電後から始発前までの「深夜1時から4時頃」に行うのが基本ルールとなります。実質的な作業時間は2時間から長くても4時間程度と非常に限られています。しかし弊社では、事前に現場の動線や資材の配置を秒単位でシミュレーションする綿密な打ち合わせを行い、駅での施工経験が豊富な熟練の専門スタッフがチームで動くため、この短時間であっても確実に「足場組み・高所作業車の手配」「対策工事」「清掃と完全撤去」までを完了させることができます。
Q. 夜間作業は可能か?(日中は作業ができないが対応できるか?)
A. はい、駅の施工は原則としてすべて夜間作業にて対応しております。列車の運行を妨げず、利用客の安全を最優先に確保するため、日中の作業は行わず、電車が完全に停止している夜間に集中して施工を行います。ただし、夜間であっても線路の安全確認を行う「点検車両」が走行するケースがあるため、駅運営側と詳細な運行スケジュールを連携し、作業用パトランプの設置や見張り員の配置など、安全第一で作業を進めます。
Q. 安全対策はどのようにしてくれるのか?
A. 駅での施工において最も重大な事故となるのが「乗客の頭上や線路上への資材の落下」と「架線トラブル」です。これを防ぐため、弊社では樹脂製の劣化しやすい部材は極力排除し、耐久性の高い鉄製部材を使用した上で、ワイヤー等を用いた「確実な二重固定」を徹底しています。また、施工中も架線(高圧線)に接触しないための十分な距離の確保と配慮など、一般的なビル工事以上の、鉄道施設特有の極めて厳しい安全基準をクリアした上で高所作業を行います。
Q. 他の業者に断られた案件でも対応できますか?
A. はい、対応可能です。駅の鳥害対策はこれまで解説してきたように、夜間の限られた時間内での施工や、高圧線付近での危険作業、さらには新幹線通過時の激しい風圧を計算して風を逃がすネット施工など、一般的な構造物に比べて極めて難易度が高くなります。そのため、「うちでは安全の保証ができない」と他社で断られてしまったり、安価な業者に依頼したもののすぐに再発してしまったというご相談を弊社では非常に多くいただきます。弊社では鉄道施設での豊富な施工実績と、独自のノウハウ・特殊ネット技術がありますので、他社様で解決できなかった案件でも安心してお任せください。











