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/2023.09.19

スズメの被害にお困りの方!対策・駆除について鳥害対策のプロが徹底解説!

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スズメは他の鳥たちと比べて体も小さく、人にとって害があまりでない生き物ではないかと思われる人も少なくないでしょう。
しかし、農作物や人が捨てたゴミなど何でも食べることから、雑食性で生態系を壊してしまう害鳥でもあります。今回は、そんなスズメの被害対策について、プロの目線で解説いたします。

スズメってどんな鳥?

スズメは愛くるしい姿とは対照的に、イネや虫など何でも好んで食べる雑食性の生き物です。古くから人間と共存してきたものの、農作物や生態系への影響があるため、一部では害鳥として見られてきました。

昔から日本人にとって身近な鳥

スズメはおよそ2億3,500万年前に絶滅した恐竜の子孫ともいわれています。日本では、約1,500年前の地層から化石として見つけられました。

スズメは俳句の冬の季語としても使われているなど、日本人の間で古くから馴染みのある鳥の一種です。アニメや漫画などでも愛くるしい姿で描かれてきました。

日本で生息するスズメは、スズメとニュウナイスズメです。スズメは人間と共存するように、街中や人が住む場所で見ることができます。巣は電柱や家屋の隙間、電線のカバーにある隙間など、スズメ1匹が通れる場所があればどこでも営巣します。

反対に、森や自然の多い場所で生息するニュウナイスズメは、一般的なスズメよりも少し小さく、可愛らしい姿が特徴です。巣はキツツキが以前住んでいた場所や、枯れ木などに営巣します。

スズメの生態

空中で飛ぶ姿は他の鳥たちとほとんど同じですが、地上で生活する際にはホッピングをするような姿で移動します。この動きが愛らしく見えることから、「かわいいかくれんぼ」などの童謡にも使われました。

鳴き声は「チュンチュン」と高音を鳴らすのが特徴です。そのほかにも、他の生き物に対して威嚇する際には、「ジュクジュクジュクジュク」と尾を上げながら体を大きく見せながら鳴くこともあります。

スズメの繁殖期は春先3月から夏の8月頃までといわれています。繁殖は年に1~3回行われ、移動の際には集団行動するのが特徴です。ただし、基本的には1年を通してひとつの場所で生活する留鳥として分類されています。

スズメの食性

スズメが好むものとして、イネやイネ科の小粒上の乾いた種子、ソメイヨシノなどサクラ類の蜜が挙げられます。収穫前のイネを食べてしまうため、農業従事者からは害鳥として天敵扱いされています。また、スズメは花の蜜だけをスマートに食べることができません。ヒヨドリなどのように花粉を他のサクラに移すことができないため、生態系のなかでは自分勝手で迷惑な鳥として扱われます。

スズメは植物以外にも、蛾やコガネムシの幼虫やテントウムシなどの虫を食べます。生き物が生息していない都心部では、人間が捨てたゴミを食べることから、雑食性の生き物ともいわれているのが特徴です。これらの食性が、これまでスズメが日本全国で繁殖していった理由の一つとして挙げられます。

スズメの分布

他の鳥たちと比べ、世界中幅広い場所で見られる鳥の一種です。基本的には冬場極寒になるような地域には生息しませんが、日本をはじめヨーロッパやアメリカといった場所で発見されています。

日本では、北は北海道から南は沖縄まで、さまざまな場所で巣や群れが見られます。留鳥ということもあり、佐渡や屋久島といった離島ではその場所から離れず生息しています。

特徴的なのは、人が生活する場所にしか生息しないシナントロープというものです。人が新たな集落として住み始めた場所には、他の場所からスズメが移動して生活を共にします。しかし、高齢化によって住民が減っていった場所ではスズメも自然といなくなる、といわれています。

スズメは巣への執着心が強い

スズメは一度巣を作った場所は「安心して生活できる寝床」として判断するため、翌年も営巣する傾向にあります。したがって、自ら作った巣に対する執着心は他の鳥たちよりも強く、一筋縄では立ち退きません。

スズメは別の住処から移動してきた際、安心して住める場所なのか判断するため、いくつかの行動を経て巣を作ります。最初のうちはほんの数秒だけ留まるため、注意して見ていなければ気づかない人もほとんどでしょう。

その後、数回にわたり長い時間留まる機会を増やすなど、営巣する上で問題ないと判断すると、寝床として巣を作り始めます。気づいたときには既に巣が完成していた、なんてことも少なくありません。

スズメの被害

スズメが生息する場所では、フンや羽毛といった被害のほかに、騒音による被害が発生します。また、育ちきれていない農作物を食べてしまうなど、農家にとっても軽視できないものといわれています。農作物中でも稲の被害が7割を超えます。

家に巣が作られる被害

スズメは長い期間同じ場所に滞在すると、営巣の対象として判断します。鳥害対策として、頻繁にベランダや軒先をチェックし、スズメがいた際にはこまめに追い払うなどの行動が必要です。

スズメが作る巣には、トリサシダニといわれるダニが生息しています。普段はスズメと共存する寄生虫ですが、巣から家の柱、畳といった場所に移動すると人間を刺し、かゆみといった被害を引き起こします。

そのため、スズメが巣を作ったときには、家の中にダニが生息していないか注意をする必要があります。朝起きた際、肌に強いかゆみや赤い湿疹が見受けられたときには、すぐにお医者さんへ行きましょう。また、トリサシダニは市販のダニ用殺虫剤で駆除できるため、スズメの巣を発見したときには早めに購入しておくことをオススメします。

鳴き声がうるさい等の騒音被害

スズメの鳴き声は小さく甲高いのが特徴です。一匹でいるうちはそれほど気にならないかもしれませんが、集団で行動する際には高音が響き渡るなど、深刻な騒音被害に繋がります。

ハトなど他の鳥たちと同様に、スズメは早朝に鳴き声を発します。巣には卵からふ化したヒナが5匹以上生息しているため、鳴き声の音も何倍に増えます。したがって、巣の近くに住む人たちにとっては、睡眠障害を引き起こす原因といえるでしょう。

騒音被害が発生する前にできることとして、スズメが産卵するまえに巣を駆除してしまう、というのが挙げられます。一度卵が生まれてしまうと、鳥獣保護法に触れたり1人では手を付けられない状態になるため、巣の存在を早めに確認しておくことが大切です。

糞による被害

寝床として長期間滞在するようになったスズメは、その場所で巣を作り始めます。このころには、地面に大量のフンが飛び散っているなど、深刻な被害を引き起こします。

ベランダの手すりなどにもスズメはフンを落とします。床に落ちたフンも見た目や衛生面で不快に思われますが、思わず触れてしまうような場所にフンが落ちていると、小さなお子様が触れてしまうなどとても危険です。

スズメのフンには感染症の原因となる菌が含まれているため、素手で取り除くのはとても危険です。必ずマスクや手袋を使うなど、アレルギー対策をしっかり行った上で清掃しましょう。

また、フンだけではなくスズメの羽毛などが地面に落とされるケースも少なくありません。これらが混じり合うと、エアコンの配管や室内機を詰まらせる原因にもなるため注意しなければいけません。

農作物への被害

先ほども述べたように、スズメはイネなどさまざまな食物を食い散らかします。特に稲の被害は深刻で全体の7割を占めます。また、まだ育ち切っていない農作物も食べてしまうことから、農家にとっての影響は決して軽いものではありません。

特に、初夏から秋にかけて育つ大根やホウレン草といった農作物は、スズメから狙われるものの一つです。というのも、スズメは雑穀のほかにこれらの種子を好んで食べるため、気が付いた時には全滅になってしまった、ということも考えられるためです。

鳥害対策として、スズメが退避できる場所や休息できる場所をなくすなど、こまめに見回りすることが必要といえます。

スズメは自分で駆除しても良い?

結論として、スズメはご自身で駆除してはいけません。その理由として、鳥獣保護法第8条により保護の対象となっているためです。特にニュウナイスズメは非狩猟鳥獣の為注意しましょう。

スズメは鳥獣保護法の保護対象

スズメは鳥獣保護法第8条により、捕獲や飼育が禁じられています。したがって、むやみに巣を壊して駆除することができません。そのため、巣を作る前にスズメが長く滞在しないための対策というのが必要となります。 

スズメに限らず、野鳥たちは鳥獣保護法で守られているため、勝手に駆除してはいけません。騒音問題でお困りの際には、必ず専門の業者への依頼をオススメします。

狩猟による捕獲は認められている

スズメは狩猟鳥に指定されているため、虫あみなどでむやみにとってはいけません。捕獲の際には、狩猟免許が必要になります。万が一、許可なくスズメをとってしまうと、鳥獣保護法で罰せられてしまうため注意しましょう。

スズメを狩猟するためには、第二種狩猟免許やや網の狩猟免許のほか、第二種狩猟免許で対応する場合は銃砲所持許可証が必要となります。一般的には空気銃や無双網などで駆除するといわれています。

無許可で駆除すると懲役または罰金の可能性も?

もし、許可なくスズメの捕獲や卵の除去などをしてしまうと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になるため注意しましょう。

ちなみに、スズメが去った巣や卵がない状態であれば駆除をしても問題ありません。しかし、巣の中にはダニといった寄生虫が多く生息しているため、個人で駆除をするのはオススメしません。

スズメの鳥害対策方法

ここではスズメの鳥害対策に効果的な方法を3つ紹介します。ご自身でも行えるものばかりですが、間違った使い方や選び方をしてしまうと、全く効果がでないため注意しましょう。

防鳥剣山はスズメ対策に効果が無いって本当?

防鳥剣山そのものはスズメの鳥害対策に十分効果があります。しかし、単体での使用や剣山のタイプによってはあまり意味がないケースも少なくありません。

たとえば、100円ショップで販売されているような、一般的な野鳥対策に使われる剣山は、スズメ対策としてはオススメできません。その理由として、剣山同士の隙間が大きすぎるため、スズメが簡単に通り抜けしてしまうからです。

剣山をスズメ対策で使用する際には、取り付ける場所のほかに、サイズやタイプもよく確認しておきましょう。

防鳥剣山の詳細はこちら

防鳥ネットで対策する際に気をつける事

防鳥ネットも害鳥対策に欠かせないアイテムの一つです。しかし、網目が粗いものでは、体の小さなスズメはいとも簡単にすり抜けてしまいます。防鳥ネットを設置する際には、網目が20mm角より小さなものを選ぶとよいでしょう。

設置する際にも侵入可能な隙間が発生しないかチェックすることが大事です。特に、ネットの貼り方や専用ネットを使用しない場合は、時間がたつことに隙間が発生してしまい、防鳥ネットの意味をなさなくなってしまいます。

また、防鳥ネットと専用の忌避剤を組み合わせて使うことも、スズメの鳥害対策に効果的です。全体の侵入口を防鳥ネットでふさぎ、ネットが設置できない場所には専用の忌避剤を置くなど、建物全体を守るように使うと侵入される危険性を減らせます。

防鳥ネットの詳細はこちら

忌避剤の対策は効果がある?

忌避剤は防鳥ネットと比べ、スズメへの影響が低いといわれています。

とはいえ、スズメが嫌う臭いタイプの専用の忌避剤も中にはあるため、効果がないとはいえません。大切なのは、どの害鳥にどの忌避剤が合っているのかを見定めて購入することです。

忌避剤の詳細はこちら

スズメの鳥害対策まとめ

スズメは古くから人々に愛されてきた生き物ですが、フン被害や騒音問題などを引き起こす迷惑な鳥でもあります。一度巣を作ってしまうと簡単に駆除ができないため、スズメが安心して住めるような環境を作らないことが大切です。

また、スズメによる被害が発生した場合でも、むやみに捕獲してはいけません。法律によって1年以下の懲役または100万円以下の罰金の処罰をうけることになります。フンで家の周りが汚れて困っている、朝から甲高い声で起こされてしまう睡眠障害になった、そんなときには日本鳩対策センターまでご相談ください。

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