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/2023.10.23

ツバメの巣にお困りの方!鳥害対策のプロがツバメ被害について徹底解説

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ツバメと言えば日本人にとって馴染み深い鳥として親しまれていますが、民家の幹下に巣をつくることで、糞害をはじめとする問題を起こします。現在ツバメの巣があり、被害が広がらないか心配している方もいらっしゃることでしょう。

今回はそんなツバメの巣にお困りの方へ向けて、ツバメの生態や起こりうる被害について解説していきます。

ツバメってどんな鳥?

ツバメは日本全国各地で見られるため、多くの人が知っている鳥類として定評があります。しかし、実際にどのような生態なのかを、詳しく知っている方は少ないでしょう。
以下では具体的なツバメの生態について紹介しているので、チェックしてみてください。

昔から日本人にとって身近な鳥

ツバメは北半球で繁殖している渡り鳥です。古くから日本で見られていた鳥類とされており、日本で繁殖するツバメは、フィリピンや台湾などで冬を越します。日本国内では夏に見られる鳥として有名ですが、一部の個体は国内でも越冬するのが特徴です。

日本で見られるツバメは、スズメ目に属しているツバメをはじめ、イワツバメ・コシアカツバメ・ショウドウツバメ・リュウキュウツバメなどの5種類です。

翼が大きいため飛ぶことに特化していますが、足が短いため歩行は苦手です。水を飲む際も、水面上を飛行しながら行っている姿が見られます。巣作りをするために泥を口に含むとき以外は、地面に降りることはほとんどありません。

ツバメの生態

ツバメの全長は約17cmで、飛行時に尾羽根の一番外側が細長く飛び出ている様子を見ることで、見分けることができます。羽毛は喉から額にかけて赤茶色をしており、光沢のある藍黒色の背中と、白色の胸と二股型の尾が特徴です。

ツバメは鳴管が発達しており、「チィチュロリ」「チュリチュリ」「ジュリリ」と大きな声で鳴きます。また、警戒すると「ツピー、ツピー」という声で鳴くため、状況に応じて鳴き分けることが可能です。

3~7月になると、ツバメは2回繫殖期に卵を産み、3週間ほどで孵ります。また、外敵から身を守るために幹下に巣を作り、そこでほとんどの時間を過ごします。巣は高さ2m以上の場所に作りますが、その際泥を口に含み、唾液で練って作られているため、巣の下には液体が滴ることも多いです。

ツバメの寿命は2年ほどです。毎年非常に多くのツバメが日本へ渡ってくるため、夏になると日常的にツバメの姿を見られる地方も少なくありません。

ツバメの食性

ツバメは基本的に昆虫を好みます。普段食べている昆虫は、蚊・ハエ・アブなどが大半を占めています。また、小さなガ・チョウ・トンボなども好んで食べることも多いです。また、水を飲むために水面を飛行することもあります。

ツバメは子育て中の親鳥が、巣で暮らすヒナに餌を運びますが、その回数はなんと1時間に40回前後です。何度も虫を捕まえては巣にいるヒナに運ぶという工程を繰り返し、子育てをしています。

ツバメの分布

ツバメは北半球を中心に繁殖する渡り鳥のため、日本国内はもちろん他の国でも見られる鳥類です。温帯地方に広く分布しているため、温かい場所を好みます。具体的にはフィリピン・台湾・マレー半島・ジャワ島など、さまざまな場所で冬を越します。

日本国内では九州以北に渡来し、全国各地でその姿を確認できます。生息地は主に町の中や周辺の農耕地、河川敷などです。

ほとんどが国外で越冬する中、日本で冬を過ごす個体もいますが、これらがどこで繁殖しているのかは判明していません。また、ツバメがいつから存在しているのかも詳しく分かっておらず、まだまだ謎な部分も多い鳥です。

ツバメは益鳥で巣は縁起物

元々ツバメは益鳥として親しまれてきました。ツバメが巣を作った家庭は、昔から「商売繁盛」「幸せになれる」などと言われることが多かったため、軒下に巣を作られているのにも関わらず、対策をしない家庭もあります。

農作物を育てている家庭にとって、ツバメは害虫を食べてくれる存在のため、縁起物として愛されてきたのでしょう。しかしツバメは害虫を食べてくれる一方で、巣や糞による問題を度々起こすため、実際に縁起物とは言い難いです。

古くからは「幸せを運んできてくれる鳥」と言われていましたが、実際には害虫を食べてくれる代わりに病気を持ってくることもあるため、現在は害鳥として扱われることが増えてきました。

ツバメの被害

ツバメが巣を作ると、さまざまな被害を受けることになります。実際に日本国内において、ツバメによる被害は度々問題視されており、ニュースやSNSなどで取り上げられることも多いです。

以下で具体的にどのような被害が起こりうるのか、詳しく見てみましょう。

家に巣が作られる被害

ツバメは外的であるカラスや蛇から身を守るために、あえて人目に付く場所に巣を作ります。そのためツバメの巣は、家の幹下をはじめとする場所に作られることが多いのです。最近では、商業施設や駐車場などでの被害も多く見られます。

人間がむやみに攻撃しないと認識しているため、ツバメは人通りが多い場所でも平気で巣作りを始めます。昔ツバメが作った巣が残っている場合は、そこを修復して再利用することも多くあります。

対策としては、ツバメが巣を作るスペースを塞いだり、巣は取り払うなどが挙げられます。ツバメが巣を作りやすい場所や止まりやすい場所に、例えば壁の目地などに足を引っ掛けられないようテープを貼っておくことで、ツバメはうまく止まれなくなるので効果がでる場合があります。

鳴き声がうるさい等の騒音被害

ツバメは比較的鳴き声が大きな鳥です。しかもツバメは早朝から昼頃にかけて、大きな声で鳴く習性があるため、睡眠の妨げになることもしばしばあります。巣を作られてしまうと、毎朝大きな声を聞かされる羽目になり、精神的苦痛を受けることになるでしょう。

また、騒音による被害は自宅だけではなく、他所の家庭にまで影響を与えます。「ツバメの声がうるさい」とクレームが入り、近所付き合いにひびが入る可能性もゼロではありません。

ツバメの鳴き声を対策することは難しいため、巣を撤去するか、巣作りを未然防ぐしか方法はありません。巣ができないように防ぐのが理想的ですが、もしすでに巣を作られてしまっている場合は、ツバメが巣立ってから撤去をして、対策を行いましょう。

糞による被害

糞による被害は、ツバメの巣作りによって起こる問題で最も大きいと言えます。子育て中の親鳥たちは、ヒナからできる限り近い距離で過ごそうとするため、巣の近くでも糞をしてしまうのです。そのため、巣の下は糞だらけになり、汚れや臭いなどが問題視されます。

ツバメの糞をなくすことはできないため、糞が落ちても問題ないように対策をするしかありません。例えば糞が落ちてくる場所に、新聞紙や段ボールなどを置いておくことで、床をキレイな状態に保てます。

また、その際は糞受けとなるものを固定しておきましょう。糞が落ちたらこまめに取り換えることで、臭いによる被害を最小限に抑えられます。

ツバメのヒナを狙った害鳥、害獣

ツバメのヒナには数々の天敵がいます。たとえばカラス、蛇などは、ヒナを食べようとするため、親鳥は天敵から守るために巣の近くで行動することが多いです。

親鳥が離れている間に、天敵が巣に近づいていき、ヒナを食べてしまうのはよくあることです。また、ヒナだけではなく卵まで食べてしまうため、巣から落とされた卵で床が汚れてしまうことも少なくありません。

これらの問題は自然の摂理であるため、対策することは難しいでしょう。できることと言えば、巣ができないよう未然に対策を行うくらいです。

ツバメの巣は撤去しても良い?自分で駆除しても良い?

ツバメをご自身で撤去、または駆除をすることは、鳥獣保護管理法で禁止されています。仮にツバメによる被害を受けていたとしても、ご自身だけで対処しないようにしてください。

ツバメは鳥獣保護法の保護対象

ツバメは鳥獣保護管理法で、府や市町村の許可なく撤去、または駆除することが禁止されている動物です。もし巣を発見したとしても、ヒナや卵などがある場合は、そのままにするしかありません。

鳥獣保護管理法に違反すると、1年以内の懲役または100万円以下の罰金が課されるリスクがあります。うっかり知らずに撤去してしまい、鳥獣保護法違反になってしまうという事態にならないよう気を付けてください。

ツバメが巣立った後は撤去しても良い?

上述したように、府や市町村の許可なく撤去や駆除をすることは禁止されていますが、ツバメが巣立った後なら問題ありません。あくまでも鳥獣保護管理法で禁止されているのは、ツバメの巣の中にヒナや卵などがいる場合に限ります。

ただ巣だけが残されている状態であり、ツバメの姿が見当たらない場合は、ご自身で撤去しても鳥獣保護管理法に違反しません。

巣を作らせないように、テープを貼るなどの方法を紹介しましたが、これらで対策をする場合は巣を撤去してから行うのが効果的です。巣を撤去すれば、新たなツバメが巣を再利用する心配も無くなり、対策効果によって新たな巣ができる心配もなくなります。

ただし、巣を撤去する場合は、必ず巣の中が空であることを確認してからにしましょう。巣は高さ2mほどの高所にあることが多く、中までしっかり目視することは難しいです。ツバメのヒナや卵などが無いことを確認してから、撤去を行ってください。

ツバメの鳥害対策方法

ツバメの鳥害対策方法を知っておけば、被害を最小限に抑えられます。今回は4つの方法やポイントを紹介するので、ツバメからの被害を受けないためにも詳しく見てみましょう。

ツバメの鳥害対策は巣立った後に行う

ここまでで開設したように、ツバメの巣が見つかったからと言って、ご自身ですぐに撤去しないよう気を付けてください。もしヒナや卵が残っているのにもかかわらず、ツバメの巣を撤去してしまった場合は、鳥獣保護管理法違反となります。

また、巣立った後ならスムーズに巣を撤去でき、新たな巣を作らせないための対策も容易になります。テープを壁に貼りやすくなる、ツバメが侵入しやすいスペースを阻むなど、これまで実践できなかった対策法を取り入れられるのでおすすめです。

防鳥ネットでツバメ対策

防鳥ネットは、ツバメの巣を作らせないよう未然に防ぐ効果が期待できます。ツバメが侵入しやすいスペースにネットを張っておくことで、巣作りができない状態にすることが可能です。

ネットがあると、ツバメは物理的に幹下へ侵入できなくなるため、諦めて他の場所へ移ります。反対に、一度でも侵入させてしまうと、ツバメは簡単にそこから離れなくなってしまうため、できる限り早いうちに防鳥ネットを張っておくことが大切です。
また、ツバメが足を引っかけられる部分があると、そこにとまって巣を作ってしまう場合があります。できる限りツバメがとまれるスペースを作らないようする必要がありますので注意と施工スキルが必要です。

防鳥ネットの詳細はこちら

忌避剤のツバメ対策は効果がある?

忌避剤は基本的に、防鳥ネットが使用できない場合に塗布する薬剤です。1番手として考える対策方法ではありませんが、日本鳩対策センターでもバードフリーという忌避剤を販売しています。

バードフリーの効果は1年ほどであり、長期間ツバメによる被害から住まいを守ることができます。鳥類の感覚を刺激する設計となっているため、一般的な忌避剤よりも高い効果を実感できるでしょう。

また、バードフリーは環境や人体に対しては無害のため、小さなお子さんやお年寄りがいる家庭でも安心して取り入れられるでしょう。通常タイプと低臭タイプをそれぞれ取り扱っているため、集合住宅でも問題なく使用できます。

どうしても防鳥ネットが使用できない場合は、こちらの商品を使用することを検討するのもおすすめです。

バードフリーの詳細はこちら

ツバメに巣を作らせない対策

ツバメに巣を作らせない対策としては、巣が作れそうな場所を作らないことや、ツバメが侵入しないよう防ぐことが大切です。ツバメは一度巣作りをすると、そこに居座ってしまうことや毎年同じ場所に巣を作ることが多いため、巣を作れない状況にすることを心がけましょう。

万が一ツバメによる被害を受けたとしても、ご自身で対策することは、鳥獣保護管理法に触れてしまいます。最悪の場合は懲役や罰金などの処罰を受けなくてはなりません。一度巣ができてしまうと、ヒナや卵が巣から無くなるまでの間は、何もできなくなってしまいます。もしツバメの巣による被害にお困りの場合は、日本鳩対策センターまでご相談ください。

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