教えて!鳩対策センターさん

/2025.05.28

マンションの鳩対策の決定版!年間約3,000件の問い合わせを受ける鳥害対策の専門家が徹底解説!

マンションの鳩対策の決定版!年間約3,000件の問い合わせを受ける鳥害対策の専門家が徹底解説!

マンションの鳩対策の決定版!年間約3,000件の問い合わせを受ける鳥害対策の専門家が徹底解説!マンションにお住まいの方や管理組合の皆さん、鳩の被害に悩まされていませんか?
ベランダや屋上に鳩が住み着き、糞害や騒音に困っている方は少なくありません。鳩被害は見た目の問題だけでなく、衛生面や健康面でもリスクがあります。
この記事では鳩害対策の専門家である日本鳩対策センターの知見をもとに、マンションでの効果的な鳩対策について詳しく解説します。鳩が来る理由から、自分でできる対策、専門業者への依頼方法まで、マンション特有の問題に焦点を当てた内容をお届けしますので、鳩にお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

1: マンションに鳩が来る理由と被害の実態

都市部のマンションで鳩被害が増加しています。特に都市化が進んだ地域では、鳩の生息数が増加傾向にあり、その結果マンションへの被害報告も年々増えています。これは、鳩が自然環境の変化に巧みに適応し、人間の生活圏に近い場所を生息地として選ぶようになったためです。

東京都の調査(「第13次東京都鳥獣保護管理事業計画(案)に寄せられたパブリックコメント」に「ドバトは、本文中で都心部を中心に生活環境被害が顕著であり、かつ個体数の異常な増加」と記載されています)によると、都市部における鳩の個体数は年々増加傾向を示しています。また、マンション管理会社への鳩害相談件数も年々増加傾向にあり、特に春から秋にかけての繁殖期には相談が集中します。(実際、鳩は年中繁殖可能ですが、特に春先から秋に繁殖を行っているようです)

興味深いことに、以前は主にカラスによる被害が多かった都市部では、カラス対策が進んだ結果、相対的に鳩の数が増加したという報告もあります。カラスが減少した環境で、鳩がその生態的地位を埋めるように増えているのです。

1-1: 鳩がマンションを選ぶ理由とは?

鳩がマンションを選ぶ主な理由は3つあります。「餌場の近さ」「水飲み場の近さ」「安全に待機できる場所」です。特に都市のドバトは、もともと断崖などの岩場の隙間に巣を作る習性が元々あります。マンションの構造物は、これによく似た自然界の岩場の環境をドバトに提供しているわけです。

鳩にとってマンションは、雨風をしのげ、捕食者から身を守れる理想的な住処となります。高さがあり、あまり人の出入りがない場所であれば人間の干渉も少なく、近くに食べ物や水があるマンションは、鳩にとって絶好の生息地です。
特に公園や広場の近くにあるマンションは要注意です。公園で餌付けされた鳩は、近隣のマンションを休息・繁殖の場所として利用します。鳩は餌場との距離が近い安全な場所を本能的に選びます。

ベランダ

マンションのベランダは鳩の絶好の住処になります。特に室外機の裏側や、あまり人が出入りしない、粗大ゴミなどの物が多く散らかったベランダが標的になりやすいです。鳩は人の気配が少ない場所を好むため、普段使用されていないベランダや空室のベランダに住み着きやすい傾向があります。

ベランダにある物置や植木鉢の陰、エアコンの室外機の裏なども鳩が好む場所です。これらは鳩に隠れ場所を提供し、巣作りに適した環境となります。また、ベランダに置かれた水盤や植物の受け皿は、鳩の水飲み場になることもあります。
日当たりの良いベランダは、鳩にとって保温効果もあり、冬場でも繁殖活動を続けられる場所になります。特に南向きのベランダは、一年を通して鳩が好む環境となりやすいです。

屋上

マンションの屋上、特にパラペット(屋上の縁の立ち上がり部分)は、鳩が止まって安全確認をする場所として利用されます。パラペットの上に並んで休息する鳩の姿はよく見られます。
屋上には給水タンクや浄化槽など、設備機器が設置されていることも多く、これらの機器の下や隙間は鳩が巣を作りやすい場所です。特に浄化槽の下や、タンクとコンクリート床の間の隙間は、風雨を避けられる絶好の巣作りの場所となります。
しかも、屋上は人の往来も少ないため、鳩にとって安全な場所と認識されます。また、高所から周囲を見渡せるため、捕食者の接近を早期に発見できるという利点もあります。

非常階段

非常階段は人の通行が少なく、鳩にとって理想的な住処となります。特にH鋼(形鋼)の上部や階段の踊り場などに巣を作りやすい傾向があります。非常階段の構造物には隙間や段差が多く、鳩が巣材を固定しやすいという特徴があります。(ちなみに鳩の巣は一般的な私たちがイメージする鳥の巣とは違い、小枝が数本あるだけの非常に質素なものが多いです)

実際の事例では、12階建てマンションの非常階段で6階から12階まで鳩が巣を作り、大規模な被害が発生したケースもあります。非常階段は通常の生活では使用頻度が低いため、鳩の活動に気づかないまま被害が拡大することもあります。

また、非常階段の天井部分や、階段と外壁の接合部など、目立たない場所に巣を作られると、発見が遅れることもあります。そのため、定期的な点検が重要になってきます。

その他の場所

マンションでは上記以外にも、出窓のひさしの上、外壁の水切り部分、バルコニーの日よけ、共用部の植え込みなども鳩の住処になりやすい場所です。
特に注意すべきは、建物の凹凸部分や装飾的な突起物です。こうした場所は鳩が足場を確保しやすく、雨風も防げるため、巣作りに適しています。また、エレベーターの機械室や電気室などの設備スペースも、人の出入りが少ないため、鳩に狙われやすい場所です。

さらに、マンションによっては中庭や共用の庭園スペースが設けられていることがあります。こうした場所で餌付けが行われると、周辺の構造物に鳩が集まりやすくなります。

1-2: 鳩が残す被害:汚れや病気のリスク

鳩による被害で最も一般的なのは糞害です。鳩は自分の体重の約10分の1もの餌を摂取し、砂や石なども一緒に飲み込むため、排泄物の量が非常に多くなります。鳩の糞は酸性が強いため、建物の表面を侵食し、美観を損なうだけでなく、構造物の劣化を早める原因にもなります。
健康面でのリスクも見過ごせません。鳩の糞にはクリプトコックス症を引き起こす真菌が含まれていることがあります。クリプトコックス症は、肺炎や髄膜炎などを引き起こす深刻な感染症で、死亡例も報告されています。

実際に、ある集合住宅では、長期間放置された鳩の糞から発生した胞子が原因で、訪問者がクリプトコックス症を発症したケースもあります。最初は風邪と診断されましたが、症状が改善せず、セカンドオピニオンを求めた結果、クリプトコックス症であることが判明しました。(筆者も幼少期に団地住まいで鳩が棲みつき、しばらくすると体調が悪くなり医者にかかったところ、クリプトコックス症と診断された経験があります)

また、鳩はダニやノミなどの外部寄生虫の宿主になることもあり、これらが住居内に侵入するリスクもあります。特に巣が作られたベランダの近くの部屋では、こうした虫が室内に入り込むケースも報告されています。
さらに、鳩の羽毛や糞の粉塵は、アレルギー反応や喘息発作を誘発する可能性があります。特に呼吸器系の疾患を持つ方や、小さなお子さん、高齢者は影響を受けやすい傾向があります。

1-3: マンションに来る鳩を放置するとどうなる?

鳩の被害を放置すると、短期間で状況が悪化します。鳩は繁殖力が非常に強く、年間に最低5回、条件が良ければ7回も繁殖します。1回の産卵で必ず2個の卵を産み、比較的高い確率で雛が育ちます。
初期段階では数羽の鳩が時々訪れる程度でも、対策を怠ると1年後には3倍以上の個体数に増加することもあります。例えば、10羽程度の鳩が住み着いた状態で放置すると、翌年には30羽以上になる可能性があるということです。

時系列で見ると、まず数羽の鳩がマンションに来始め、安全な場所だと認識すると定期的に訪れるようになります。その後、巣作りを始め、繁殖サイクルに入ります。繁殖を続けると鳩の数は指数関数的に増加し、建物の広範囲に広がっていきます。
特に問題なのは、生まれた鳩が親と同じ場所に戻って繁殖を始めることです。群れで行動する習性があるため、一度住み着いた場所では世代を超えて鳩が増え続けます。

放置された鳩の被害は、単なる糞害から始まり、騒音問題、構造物の劣化、健康被害へと広がります。さらに、マンションの資産価値の低下や、住民間のトラブルの原因にもなります。
実際の事例では、初期対応を怠ったマンションで、わずか2年後には屋上全体と複数階の非常階段に鳩が巣を作り、大規模な駆除・清掃作業が必要になったケースもあります。初期対応にかかる費用と比較して、被害が拡大した後の対策費用は数倍から10倍以上になることもあります。

2: マンションに鳩を寄せ付けない!自分でできる予防対策

マンションで鳩による被害を防ぐには、早期の予防対策が最も効果的です。鳩が来始めたばかりの初期段階であれば、比較的簡単な方法でも効果を上げることができます。ここでは、自分でできる予防対策について解説します。
予防対策の効果は、鳩がその場所に執着する前の段階で実施するかどうかで大きく変わります。一度住み着いてしまうと、同じ対策でも効果が薄れることを覚えておきましょう。また、対策は一度だけでなく、継続的に行うことが重要です。

2-1: ベランダ掃除で鳩をシャットアウト!

ベランダの定期的な掃除は、鳩を寄せ付けない最も基本的な対策です。鳩は清潔でない場所を好む傾向があり、定期的に掃除をすることで鳩が集まりにくい環境を作ることができます。
プロの視点から見た効果的な掃除方法は、単に汚れを落とすだけでなく、鳩の警戒心を刺激することです。具体的には、

  • ①週に2〜3回は定期的にベランダに出て、人の気配を感じさせることが重要です。鳩は人間の活動が活発な場所を避ける傾向があります。
  • ②掃除の際は洗剤の使用も効果的です。鳩は特定の匂いを嫌うため、ハーブ系の香りのある洗剤を使用すると、さらに効果が高まります。
  • ③よく見落とされがちな場所として、エアコンの室外機の裏側や、物置の隙間などがあります。これらの場所は鳩が巣を作りやすいので、特に注意して清掃しましょう。
  • ④ベランダの床だけでなく、手すりや天井部分も忘れずに清掃します。最上階ではない限り、鳩の糞は上部からも落ちてくるため、見上げて確認することも大切です。

掃除の頻度については、鳩の活動が活発な春から秋にかけては週1回以上、それ以外の季節でも2週間に1回程度が理想的です。特に産卵シーズンである3月から11月は、より頻繁な掃除が効果的です。
効果的な掃除の時間帯は、鳩が活動を始める朝か、ねぐらに戻る前の夕方です。この時間に人間の存在を示すことで、鳩に「ここは安全な場所ではない」というメッセージを与えることができます。

2-2: 鳩が嫌がるグッズの使い方

市販されている鳩よけグッズは、正しく使用すれば一定の効果が期待できます。ただし、これらのグッズは鳩が執着する前の初期段階で使用することが重要です。すでに鳩が住み着いている場合は、繁殖本能が優先されて効果が薄くなります。(私たち専門の業者視点で言えば、すでに住み着いてしまった場合、どの市販グッズも効果がほぼないと言えます)

効果的なグッズとその使用法は以下の通りです。

①忌避剤
鳩が嫌がる匂いを発する製品です。ハーブ系の匂いのものが多く、人間にはそれほど不快ではありませんが、鳩は敏感に反応します。効果を持続させるには、2〜4週間ごとの繰り返しの実施が必要です。雨に濡れると効果が薄れるため、屋根のある場所での使用がより効果的です。

②剣山やピーコンスパイク(剣山)
鳩が止まりやすい場所に設置する物理的な障害物です。ただし、市販の安価な製品は鳩を研究して作られていないため 効果が低いことがあります(平気な顔で先端部に足を止めて休む鳩をよく見ます)。専門的な鳩用のスパイクを選び、隙間なく設置することがポイントです。

③反射板やキラキラテープ
光の反射で鳩を驚かせる効果があります。風で動くタイプがより効果的ですが、鳩も次第に学習して慣れてしまうため、時間の経過とともに効果が低下します。なので、定期的に位置を変えるなどの工夫が必要です。

グッズを使用する際の失敗例として、サイズが不適切なケースや、設置場所が限られているために鳩が単に移動するだけというケースがあります。また、グッズを設置しても定期的なメンテナンスを怠ると、鳩が慣れてしまい効果がなくなることも多々あります。

効果を最大化するための工夫として、複数のグッズを組み合わせる方法があります。例えば、物理的な障害物と忌避剤を併用したり、視覚的に驚かせるグッズと音を組み合わせたりすることで、相乗効果が期待できます。
また、グッズへの「慣れ」を防ぐために、定期的に種類や配置を変えることも効果的です。鳩は学習能力が高いため、同じパターンの防衛策には徐々に反応しなくなります。

2-3: 鳩が来ない環境を作るコツ

鳩を寄せ付けない環境づくりは、鳩の生態と行動パターンを理解することから始まります。科学的なアプローチに基づいた環境整備のポイントを紹介します。
まず、鳩が来る3つの主な理由(餌場、水飲み場、安全な待機場所)を排除することが基本です。

具体的には、

①餌付けの防止
マンション敷地内や近隣での餌付けを禁止する掲示や、住民への啓発活動が重要です。特に中庭や共用庭園での食べ物の放置は厳禁です。雑草の種子も鳩の餌になるため、定期的な雑草の除去も効果的です。

②水場の管理
植木鉢の受け皿や、溜まり水ができる場所をなくします。特にベランダや共用部分での水たまりは、こまめに除去することが大切です。

③安全な待機場所の排除
建物の突起物や隙間をなくしたり、鳩が止まりやすい平らな部分にはスパイクを設置したりします。ベランダでは物を整理整頓し、鳩が隠れられるスペースをなくすことも有効です。

④植栽の選択
鳩を引き寄せる植物と忌避する植物があります。ベリー類や実のなる植物は避け、鳩が好まない香りの強いハーブ(ローズマリー、ミントなど)を植えることで防御効果が期待できます。

⑤視覚的な対策
鳩は視覚に頼る生き物です。開けた視界を好むため、ベランダに風車や動くオブジェを設置することで、不安定で危険と感じさせる環境を作ることができます。

住民の無意識な行動で鳩を呼び寄せている例として、ベランダでの食事や、ペットフードの放置があります。これらの行動を避けることも重要です。
特に効果的なのは、鳩が来始めた初期段階での対応です。この時期に人間の気配を強く示すことで、鳩にその場所が安全でないという認識を植え付けることができます。具体的には、鳩を見かけたらすぐにベランダに出て、追い払う行動を取ることが効果的です。(まれに、エアガンなどで追払いを行っている方のお話しを伺いますが、この行為は鳥獣保護法に触れる可能性があります)

2-4:こういう対策は効果ある?鷹を飛ばす、音をだす、忌避剤を使う

マンションでよく検討される特殊な対策としては、鷹匠(たかじょう)、音波装置、忌避剤などがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

鷹匠(猛禽類を使った追い払い)について

メリット
一時的な追い払い効果が高く、テレビなどのメディアでも取り上げられることから注目されています。
デメリット
効果は一時的で、鷹がいなくなれば鳩はすぐに戻ってきます。定期的に実施する必要があり、コストが高くなります。
マンション特有の制約
住民への事前通知や、騒音・景観への配慮が必要です。また、狭い空間では実施が難しいケースもあります。

音波装置について

メリット
人の手を介さず自動で作動する利点があります。
デメリット
鳩、特にドバトに対しては効果がほとんどないことが実証されています。鳩は音に対する慣れが早く、同じパターンの音には短期間で反応しなくなります。
マンション特有の制約
常時音を発する装置は、住民からの騒音苦情の原因になることがあります。

忌避剤について

メリット
比較的低コストで実施でき、正しく使用すれば初期段階での予防効果が期待できます。
デメリット
効果の持続期間が限られ(2〜4週間程度)、雨や風で効果が薄れます。
マンション特有の制約
共用部への設置には管理組合の承認が必要で、匂いに敏感な住民から苦情が出ることもあります。

カラス対策で効果があるとされる「ディストレスコール」(危険信号の鳴き声)は、カラスには一定の効果がありますが、鳩に対しては効果が限定的です。また、同じパターンの音を繰り返すと、鳩がすぐに慣れてしまうというデメリットもあります。
最新技術を活用した対策としては、AIによる検知システムと連動した追い払い装置などが開発されていますが、マンションでの実用例はまだ少なく、費用対効果の検証も十分ではありません。

マンションでの実践例として、複数の対策を組み合わせるアプローチが効果的とされています。例えば、物理的な障壁(ネット・スパイク)をベースに、忌避剤を補助的に使用するといった方法です。また、季節や鳩の行動パターンに合わせて対策を変えることも重要です。

3: マンション特有の鳩対策!自力か専門業者かの選び方


自力での対策にも限界があります。鳩が少数で、まだ本格的に住み着く前なら自力対策も可能ですが、すでに複数の鳩が繁殖を始めていたり、マンション全体に広がっている場合は、専門業者への依頼を検討すべきでしょう。

自力対策と専門業者依頼の費用対効果を比較すると、初期段階では自力対策のほうがコスト面で有利ですが、被害が拡大すると専門業者のほうが長期的には費用対効果に優れます。また、法的な制約や安全面のリスクも考慮する必要があります。

専門業者に依頼するタイミングの判断基準としては、以下のポイントがあります。

・鳩の数が増加傾向にある
・巣作りが始まっている
・複数箇所で被害が確認されている
・自力対策を試みたが効果がない
・法的な制約(鳥獣保護法など)に関する懸念がある

マンション管理組合での意思決定プロセスをスムーズに進めるコツとしては、写真や動画で被害状況を記録し、健康リスクや資産価値への影響についての情報を提示することが効果的です。また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、適正な費用での対策が可能になります。

3-1: マンションで自力の鳩対策が難しい理由とは?

マンションでの自力対策が難しい理由はいくつかあります。まず技術的な難しさとして、高所作業の危険性があります。マンションの屋上や上層階のベランダでの作業は、転落の危険があり、専門的な安全装備がない状態での対策は命の危険すらあります。

次に法的・倫理的な障壁があります。鳩の巣や卵、ヒナを勝手に除去することは鳥獣保護法違反になる可能性があります。特に繁殖期の対応は、法的な許可を得た業者でなければ行えません。近年は動物愛護の観点からSNSでの拡散リスクもあり、不適切な駆除方法が批判の対象になることもあります。

また、マンションの構造上の問題もあります。ベランダや非常階段などの共用部分での対策は、個人では対応できないケースが多く、管理組合との調整や専門的な工事が必要になります。
自力対策の最も失敗しやすいポイントは、対策範囲が限定的なことです。例えば、自分のベランダだけ対策しても、隣や上下の住戸に鳩が移動するだけで、根本的な解決にはなりません。マンション全体で計画的な対策を行わないと、繰り返し問題が発生します。

自力対策とプロの対策の耐久性と持続性の差も顕著です。市販の対策グッズは耐久性に欠け、風雨や紫外線で劣化しやすいのに対し、専門業者の対策は耐候性の高い材料を使用し、メンテナンス計画も含めた長期的な解決策を提供します。

実際のケーススタディとして、あるマンションでは居住者が自力で防鳥ネットを設置したものの、数か月後にネットが破れたり、隙間から鳩が再び侵入し、巣作りを始めたケースがありました。結局、専門業者による全面的な対策が必要になり、初期の自力対策費用が無駄になってしまいました。

3-2: 鳥害対策業者に依頼する際のチェックポイント

鳥害対策業者を選ぶ際のチェックポイントは、私たち業界のプロならではの視点から、以下のようなものがあります。

法的な許認可の確認

鳥獣保護法に基づく許可を持っているかどうかは最重要のチェックポイントです。特に巣や卵の除去が必要な場合、この許可がない業者は違法行為を行う可能性があります。許可証の提示を求め、自治体発行の正式な書類かどうかを確認しましょう。

施工実績と専門性

鳥害対策、特にマンションでの対策実績があるかを確認します。鳥の種類や環境によって適切な対策は異なるため、マンション特有の課題に対応できる専門知識が重要です。施工事例や実績を具体的に示してもらいましょう。

使用材料と工法の品質:

使用される防鳥ネットやスパイクなどの材質、耐久性、安全性を確認します。粗悪な材料は短期間で劣化し、再度対策が必要になります。また、マンションに適した施工方法(景観への配慮、建物への負担が少ない取り付け方など)を提案できるかもチェックポイントです。

アフターフォロー体制

施工後のメンテナンスやトラブル対応の体制が整っているかを確認します。特に保証期間の有無と内容は重要です。また、効果がない場合の対応策や追加費用の有無についても事前に確認しておくべきです。

見積もり内容の透明性

見積書に含まれる作業内容、使用材料、工程、費用の内訳が明確かどうかをチェックします。あいまいな表現や予備費の過剰な計上は避けさせるべきです。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで適正価格かどうかを判断できます。

適正価格の相場は対策の規模や内容によって大きく異なりますが、一般的なマンションのベランダ1箇所の防鳥ネット設置で5〜8万円程度、マンション全体の包括的な対策では数十万円から数百万円が相場です。あまりに低価格な場合は、材料の品質や施工技術に問題がある可能性があります。
業者選定で管理組合が見落としがちな確認事項として、以下のポイントもあります。

景観への配慮

対策後の見た目がマンションの美観を損なわないか

建物への影響

取り付け方法が建物構造に悪影響を与えないか

防災面での配慮

避難経路の確保や防火性能に問題がないか

住民への説明

対策内容や工事スケジュールを住民に適切に説明してくれるか

内部業界からのアドバイスとして、対策費用の予算ありきで業者を選ぶのではなく、長期的な効果と安全性を優先することが結果的にコスト削減につながります。また、マンション全体の包括的な対策計画を提案できる業者を選ぶことで、部分的な対策の繰り返しによる無駄なコストを避けることができます。

4: マンションでの鳩対策!状況別ベストプラン


鳩対策は状況によって最適な方法が異なります。ここでは、マンションで見られる典型的な状況別に効果的な対策プランを紹介します。<
鳩の数や被害の状況によって、対策の緊急性も変わります。例えば、1〜2羽の鳩が時々来る程度なら段階的な対策でも問題ありませんが、巣作りが始まっていたり、多数の鳩が常駐している場合は、早急な対応が必要です。
状況別の対策の成功率と平均的な費用感は以下の通りです。

初期段階(数羽の鳩が時々訪れる程度)

自力対策で70〜80%の成功率
費用:数千円〜2万円程度(市販のグッズ使用)

中程度(複数の鳩が定期的に訪れ、糞害が目立つ)

専門業者による部分的対策で60〜70%の成功率
費用:5万円〜20万円程度(被害箇所の防鳥工事)

深刻な状況(多数の鳩が住み着き、繁殖している)

専門業者による総合的対策で80〜90%の成功率
費用:30万円〜100万円以上(マンション全体の防鳥工事)

予算別のベストプランとしては、限られた予算では効果の高い重点箇所から対策し、段階的に範囲を広げていく方法があります。また、管理組合と個人所有部分(ベランダなど)の対策を組み合わせることで、効果的なコスト分散も可能です。

4-1: 鳩が来始めた時のマンションでの初期対策

鳩が来始めた初期段階での対応は、被害拡大を防ぐ「ゴールデンタイム」です。この時期に適切な対策を取れば、比較的簡単かつ低コストで問題を解決できます。
初期段階で見逃されがちな兆候には、以下のようなものがあります。

・ベランダや屋上のパラペットに鳩が定期的に止まっている
・特定の場所に少量の糞が見られる
・鳩が飛来する時間帯が規則的になる
・巣材(小枝や草など)が運ばれ始める

初期対応のゴールデンタイムは鳩が来始めてから2〜4週間程度とされています(なお、この初期対応の期間は単純に鳩が待機しているだけの場合と、寝床や巣作りを始めだした場合によっても大きく変わります)。
この期間内に対策を取ることで、鳩がその場所を安全な生息地と認識する前に追い払うことができます。
初期対応の具体的なアクションプランは以下の通りです。

1日目〜3日目

・鳩が来る時間帯の観察と記録
・糞などの痕跡の清掃
・人間の存在を積極的にアピール(ベランダに頻繁に出るなど)

4日目〜1週間

・市販の忌避剤や反射テープなどの設置
・餌付けをしている住民がいないか確認
・周辺環境の整理整頓(物置や植木鉢の配置変更など)

2週間目

・効果の確認と対策の調整
・効果がない場合は、より強力な対策(プロ用忌避剤の使用など)を検討
近隣住民への協力依頼(共同での追い払いなど)

3週間目〜4週間目

・効果がない場合は専門業者への相談
・管理組合への報告と組織的な対策の検討
・長期的な予防策の実施計画立案

住民が協力して行える初期対応としては、鳩を見かけたら一斉に追い払う「鳩パトロール」の実施や、ベランダの同時清掃デーの設定などが効果的です。また、マンション内での啓発活動(餌付け禁止の周知など)も重要です。

初期対応の成功率を高めるコツは、「一貫性」と「多角的アプローチ」です。散発的な対応ではなく、毎日決まった時間に対策を行い、また視覚・聴覚・嗅覚など複数の感覚に訴える対策を組み合わせることで効果が高まります。

4-2: マンションの共用部分で鳩が居座った場合の対応法

マンションの共用部分(屋上、非常階段、エントランスなど)で鳩が居座った場合、個人での対応には限界があり、管理組合を通じた組織的な対策が必要になります。

共用部での対策実施にあたっては、管理規約上の注意点があります。多くのマンションでは、共用部の改変に関しては理事会や総会での承認が必要です。また、防鳥ネットなどの設置は「修繕」ではなく「改良工事」に分類されることが多いため、決議に必要な賛成率が高くなる場合があります。

費用負担の決定方法としては、以下のようなパターンがあります。

・修繕積立金からの支出:計画的な大規模修繕と併せて実施する場合
・特別会計からの支出:緊急性の高い対策の場合
・一時金の徴収:予算外の対策が必要な場合

最も円滑に進みやすいのは、計画的な大規模修繕と同時に実施するパターンですが、被害の深刻度によっては緊急対応が必要なケースもあります。

共用部特有の難しさとしては、範囲が広いことによるコスト増や、利用頻度の低い場所(機械室や非常階段など)での被害の発見の遅れがあります。また、防災設備や避難経路への影響を考慮した対策が必要なため、専門的な知識が求められます。

成功事例としては、理事会が専門業者と連携し、段階的な対策計画を立てて実施したケースがあります。まず重点箇所(屋上やエントランス)の対策を行い、効果を確認した上で範囲を広げていくアプローチです。この方法により、初期投資を抑えながら効果的な対策が可能になりました。

住民の協力を得るための効果的なコミュニケーション方法としては、

・写真や動画による被害状況の共有
・健康リスクや資産価値への影響に関する情報提供
・対策スケジュールと期待される効果の明示
・費用対効果の透明な説明

また、対策後の効果検証と住民への報告も重要です。定期的な巡回と状況報告により、住民の納得感と協力意識を高めることができます。

一部の住民からの反対意見に対しては、健康リスクや将来的なコスト増の可能性を具体的に示すことで、理解を得られる場合が多いです。それでも意見対立がある場合は、第三者(専門業者や自治体の担当者など)の意見を取り入れることも有効です。

4-3: マンションのベランダに巣を作られた場合の注意と対処

マンションのベランダに鳩が巣を作った場合、法的な制約と倫理的な配慮が必要になります。まず、巣に卵やヒナがある場合は、鳥獣保護法に基づく制限があることを理解しましょう。

巣の撤去に関する法的制限として、鳥獣保護法では野生鳥類の卵やヒナを許可なく移動・除去することは禁止されています。違反した場合、罰則(最大1年以下の懲役または100万円以下の罰金)が適用される可能性があります。

季節的な注意点としては、鳩の繁殖期(3月〜11月)は特に注意が必要です。この時期は巣に卵やヒナがある可能性が高く、法的リスクも大きくなります。一方、冬季は繁殖活動が少ないため、対策がやりやすい時期です。

巣内に卵やヒナがある場合の対処法は以下の通りです。

  • ・自己判断での除去は避け、専門業者や自治体に相談する
  • ・必要に応じて自治体の許可を取得した業者に依頼する
  • ・許可を得た上での卵の除去や、ヒナの保護収容など適切な方法を採用する

巣の撤去後、再び巣を作られないようにするためには、物理的な防御策が効果的です。ベランダの天井部分にネットを張る、室外機の周りにカバーを設置する、物置の上部にスパイクを取り付けるなどの対策が考えられます。

ベランダの構造別に見た対策ポイントは以下の通りです。

  • ・開放型ベランダ:天井部分からの防鳥ネット設置が最も効果的
  • ・サンルーム型:開口部のすき間からの侵入を防ぐシール処理
  • ・室外機置き場:専用カバーの設置や、周囲のネット処理

巣の撤去方法としては、巣材と糞の除去だけでなく、消毒・洗浄までを一連の作業として行うことが重要です。特に糞が付着した場所は、健康リスクを考慮し、適切な消毒剤で処理することが望ましいです。

実際の事例として、あるマンションでは、ベランダの天井部分に鳩が巣を作り、何度撤去しても再び作られる状況が続いていました。専門業者に依頼し、巣の撤去と同時に防鳥ネットを設置したところ、完全に侵入を防ぐことに成功しました。費用は約5万円でしたが、健康リスクの軽減と清掃の手間削減によるメリットは大きかったと報告されています。

5: マンションの鳩対策をする前に知っておくべきルール

マンションでの鳩対策には、様々な法的・社会的ルールが関わってきます。これらを理解し、適切に対応することで、トラブルを防ぎ、効果的な対策を実施できます。

鳩対策に関連する主な法律や条例には、鳥獣保護管理法、動物愛護管理法、各自治体の生活環境条例などがあります。特に鳥獣保護管理法は、野生鳥類の捕獲や巣の除去に関して厳しい規制を設けています。

地域によって規制や対応の違いもあります。例えば、都市部では鳩による被害が多いため、自治体によっては駆除の許可が比較的得やすい場合があります。一方、自然保護地域に近い地域では、より厳格な審査が行われることもあります。

法的トラブルに発展した事例としては、無許可で鳩の巣や卵を除去し、SNSで拡散されて批判を受けたケースや、不適切な駆除方法が動物愛護団体から抗議を受けたケースなどがあります。これらの教訓から、法的手続きを守り、倫理的な対応を心がけることの重要性が分かります。

5-1: 鳩対策で守るべきマンションの法律と管理規約

マンションでの鳩対策に関わる法律として、特に重要なのが鳥獣保護管理法です。この法律では、許可なく野生鳥類の捕獲や巣の除去を行うことを禁止しています。違反した場合、罰則が適用される可能性があります。

動物愛護管理法も関連法規として重要です。不必要な苦痛を与える駆除方法は禁止されており、人道的な対応が求められます。

マンション管理規約においては、共用部分の変更や、個人で行える対策の範囲などが定められています。多くのマンションでは、外観に影響を与える工事(防鳥ネットの設置など)には理事会や総会の承認が必要です。

管理規約の改定が必要になるケースとしては、防鳥対策の費用負担ルールの明確化や、ベランダなど専有部分に関する鳩対策のガイドライン策定などがあります。成功例としては、「環境衛生管理規定」として鳩対策に関する細則を設け、対策の実施基準や費用負担方法を明確にしたケースがあります。

法的リスクを最小化するための専門家視点でのアドバイスとしては、

  • ・対策前に法的要件の確認と必要な許可の取得を行う
  • ・管理規約に基づいた適切な手続き(理事会承認や総会決議など)を踏む
  • ・専門業者との契約書に法令遵守条項を明記する
  • ・住民への説明資料に法的根拠を明示する

鳥獣保護法と管理規約の両立で難しいポイントとしては、緊急時の対応がありますが、例えば、健康被害のリスクが高い状況でも、法的手続きには時間がかかるケースがあります。こうした場合は、自治体の担当部署に相談し、迅速な許可申請の方法を確認することが重要です。

管理組合の責任範囲と個人の責任範囲の線引きについては、一般的に共用部分は管理組合、専有部分(ベランダ内など)は個人の責任となります。ただし、ベランダでも建物構造に関わる部分(天井や外壁など)は共用部分として扱われることが多く、対策にあたっては注意が必要です。

実際のケーススタディとして、あるマンションでは、ベランダでの鳩対策を「共通利益に資する行為」と位置づけ、専有部分でも一定の条件下で管理組合が費用負担する規約改定を行いました。これにより、マンション全体での包括的な対策が可能になり、効果的な鳩対策を実現しています。

5-2: 防鳥ネット設置で管理組合や住民とトラブルを防ぐ方法

防鳥ネットの設置は効果的な対策ですが、見た目の問題や設置範囲をめぐって住民間の意見対立が生じることがあります。こうしたトラブルを防ぐためのポイントを紹介します。

見た目の問題で住民から反対があった場合の対応策としては、

  • ・サンプル設置によるデモンストレーション:実際のネットを一部だけ設置し、見た目への影響を確認してもらう
  • ・高品質なネットの使用:当社でも使用しているような目立ちにくい防鳥専用ネットを使用する
  • ・設置方法の工夫:建物の色に合わせたネットカラーの選択や、目立ちにくい取り付け方法の採用

設置前の合意形成で効果的だった説明資料や方法としては、

  • ・ビフォーアフター写真の提示:他のマンションでの設置事例の写真
  • ・健康リスクに関する情報提供:鳩の糞による病気のリスクを示す医学的データ
  • ・費用対効果の明示:対策をしない場合の将来的なコスト増の試算
  • ・専門業者による説明会:住民の疑問に直接回答できる場の設定

一部住民だけが対策を希望する場合の調整方法としては、段階的アプローチが効果的です。まず、被害が深刻な場所から対策を始め、効果を確認しながら範囲を広げていく方法です。また、費用分担の工夫(被害の程度に応じた負担割合の設定など)も有効です。

設置後のメンテナンス責任の明確化では、以下のポイントが重要です。

  • ① 定期点検の実施者と頻度の明確化
  • ② 破損時の修理対応フローの設定
  • ③ メンテナンス費用の予算化
  • ④ 清掃方法と担当者の明確化

実際の成功事例として、あるマンションでは、防鳥ネット設置前に住民に細かく丁寧に設置後のイメージを伝えることで合意を得ることに成功しました。また、設置範囲を共用部分から始め、効果を確認した上で専有部分(ベランダ)へ拡大するという段階的アプローチも効果的でした。

反対意見への効果的な対応方法としては、反対者の懸念を丁寧に聞き取り、代替案を含めた複数の選択肢を提示することが大切です。また、試験的な設置期間を設け、評価後に本格導入するという方法も有効です。

5-3: マンションの理事会・総会で対策施工の承認を得るには?

鳩対策の実施には、マンションの理事会や総会での承認が必要になることが多いです。効果的に承認を得るためのポイントを紹介します。

説得力のある提案資料作成のポイントは以下の通りです。

  • ・現状の被害状況の具体的な記録(写真や動画、被害箇所の図面など)
  • ・健康リスクや建物への影響に関する客観的なデータ
  • ・複数の対策案とそれぞれのメリット・デメリット比較
  • ・具体的な実施スケジュールと費用見積もり
  • ・期待される効果と投資回収の見通し

成功しやすい提案タイミングとしては、以下のようなパターンがあります。

  • ・年度予算計画の立案時期
  • ・大規模修繕工事の計画段階
  • ・被害が目に見えて増加した直後
  • ・他のマンションでの成功事例が報告された時期

反対意見への効果的な対応方法としては、反対の理由を丁寧に聞き取り、それぞれの懸念に対する具体的な対応策を提示することが重要です。例えば、費用面での懸念に対しては段階的な実施計画、景観への懸念に対しては目立ちにくい工法の提案などです。

合意に至った事例としては、ある管理組合では、最初は費用面で反対が多かった鳩対策について、将来の修繕費用の増加リスクと健康被害のリスクを数値で示し、さらに段階的な実施計画を提案することで合意を得ることができました。

予算確保の工夫としては、以下のような方法があります。

  • ・修繕積立金からの支出(建物保全のための必要経費として)
  • ・複数年度にわたる段階的な実施計画
  • ・緊急対策と長期対策の分離(緊急部分は修繕費から、長期的部分は特別予算で)
  • ・大規模修繕との同時実施による工事費削減

提案の成功率を高めるためには、事前の根回しも重要です。理事会メンバーや影響力のある住民に個別に説明し、支持を取り付けておくことで、総会での承認確率が高まります。
また、専門業者や外部専門家(例:衛生管理の専門家)を同席させることで、提案の信頼性を高めることも効果的です。

5-4: 鳩対策とマンションの景観を両立させる工夫

鳩対策と景観の両立は、マンション管理において重要な課題です。見た目を損なわずに効果的な対策を実施するための工夫を紹介します。
景観に配慮した防鳥対策の主な方法には以下のようなものがあります。

  • ① 高品質な防鳥ネットの使用:メッシュで目立ちにくく、建物の色に合わせたカラー(効果が一番高いカラーは黒です)を選択
  • ② 設置位置の工夫:目につきにくい位置への設置や、建物の凹凸を利用した隠蔽(ただし、景観を重視しすぎると効果が出ない場合が多いです)
  • ③ 代替手法の活用:目立つ場所ではネット以外の方法(電気ショックシステムなど。ただし、電気ショックシステムは待機場所に有効なケースが多いです)を使用
    ※「電気ショックシステム」=鳩がよく止まる箇所に微量な電流を流して追い払いを行う装置(駆除するわけではありません)。

景観維持と防鳥効果のバランスを取るためのポイントとしては、

  • ① 建物の特性に合わせた対策方法の選択
  • ② 視線の集まる場所とそうでない場所での対策方法の使い分け
  • ③ 段階的な導入による効果と景観影響の確認
  • ④ 定期的なメンテナンスによる美観の維持

また、管理組合での合意形成を円滑に進めるために、実物サンプルの展示や、他のマンションでの設置事例の見学会を実施することも効果的です。これにより、住民が実際の見た目を確認し、不安を解消することができます。

5-5: マンションの大規模修繕と同時に対策を行った方がよい?

マンションの大規模修繕工事と鳩対策を同時に実施することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
大規模修繕と同時実施のコスト削減効果としては、以下のような点が挙げられます。

足場設置費用の共有

大規模修繕で既に設置される足場を利用できるため、鳩対策単独で行う場合と比べて15〜30%程度のコスト削減が可能(ただし、ケースによっては逆にコスト高となる場合もあるので要注意です)

工事管理費用の削減

監督や管理の費用を共有できる

一括発注によるスケールメリット

材料費や人件費の削減

ただし、単純に足場があるから安くなるとは限らず、場合によっては逆に高くなることもあります。
例えば、修繕工事の進行に合わせて防鳥工事を行う必要があるため、効率的な作業が難しくなるケースや、修繕工事の契約に上乗せされることで追加費用が発生するケースもあります。

修繕工事との相性が良い対策としては、外壁や屋上のパラペットへの防鳥スパイク設置、非常階段への防鳥ネット設置などがあります。一方、相性が悪い対策としては、電気ショックシステムなど細かい配線作業を要する工事があります。これらは塗装などの作業と干渉する可能性があるためです。

修繕業者と鳩対策業者の連携で重要なポイントとしては、

  • ・事前の詳細な打ち合わせと作業範囲の明確化
  • ・スケジュールの綿密な調整
  • ・責任範囲の明確な区分け
  • ・定期的な進捗確認会議の実施

修繕後に追加で対策を行う場合の注意点としては、新しい塗装や防水層などを傷つけないよう、適切な固定方法を選ぶ必要があります。
また、保証期間中の追加工事となるため、修繕工事の施工業者との調整も重要です。

大規模修繕と鳩対策を同時に行う計画を成功させるためのステップとしては、

  • ・修繕計画の初期段階から鳩対策を組み込む
  • ・両方の工事に精通した設計コンサルタントの起用
  • ・修繕業者選定時に鳩対策の実績も評価基準に含める
  • ・詳細な仕様書と役割分担の作成
  • ・工事後の合同点検と評価の実施

これらのステップを踏むことで、効率的かつ効果的な対策が可能になります。

6: 日本鳩対策センターのマンション鳥害対策

私たち日本鳩対策センターは、国内トップクラスの鳥害対策専門企業として、豊富な実績と専門知識を持っています。鳩の生態や行動パターンに関する深い理解に基づき、効果的かつ人道的な対策を提供しています。

私たちの特徴は、単なる対処療法ではなく、鳩が来る根本的な理由に着目した総合的なアプローチです。また、適切な許認可を取得した上での対策実施や、景観と機能性を両立した施工技術など、法令遵守と技術力の高さも強みとなっています。

全国ネットワークを持ち、直営の施工部隊と加盟店のネットワークにより、さらに、全員が鳩対策認定マイスターの資格を持ったものが対応するため全国各地のマンションでの対策実績があります。特に都市部のマンションに対する豊富な経験と、地域特性に応じた対策ノウハウを持っています。

6-1:日本鳩対策センターの対策方法

日本鳩対策センターの対策方法は、鳩の生態に基づいた科学的アプローチと、長年の実績から生まれた独自技術を組み合わせたものです。主な対策方法としては以下のようなものがあります。
高品質防鳥ネット:一般的なネットとは違い、結び目が独立しているため細かな加工ができます。これにより鳥の侵入を100%防げます。耐候性や難燃性にも優れ、長期間の効果も が期待できます。また、緊急時には手で破ることができる安全設計となっており、非常時の避難経路確保にも配慮されています。

電気ショックシステム

建物の端部など、鳩が止まりやすい場所に設置する装置です。鳩が止まると小さな電気ショックを与え、その場所が危険だと学習させます。視覚的に目立ちにくい設計で、景観を損なわない利点があります。

専用ピーコンスパイク(剣山)

鳩が止まりやすい場所に設置する針状の装置です。市販の製品とは異なり、鳩の体格や行動パターンに合わせた専用設計で、効果的に着地を防止します。

忌避剤

ハーブ系の成分を使用した、人には比較的臭いが気にならず、鳩が嫌がる匂いを発する製品です。初期対策や補助的対策として効果を発揮します。

これらの対策は単独でも効果がありますが、日本鳩対策センターでは建物の特性や鳩の行動パターンに合わせて複数の方法を組み合わせた対策を推奨しています。これにより、鳩が対策に慣れることを防ぎ、長期的な効果を維持することが可能です。
対策の種類ごとの期待できる効果持続期間は以下の通りです。

対策の種類 効果持続期間
防鳥ネット 7〜10年
電気ショックシステム 3〜5年(バッテリー交換や点検が必要)
ピーコンスパイク(剣山) 5〜7年
忌避剤 3時間 〜1年ほど(定期的な再施工が必要)

新技術や新素材の研究開発も積極的に行っており、より景観に配慮した製品や、メンテナンスが容易な製品の開発に取り組んでいます。
また、環境への配慮として、リサイクル可能な材料の使用や、生態系に悪影響を与えない工法の採用など、持続可能な対策を重視しています。

6-2:マンション向けの具体的な鳩対策事例

日本鳩対策センターでは、多数のマンション鳩対策の施工実績があります。ここでは、特徴的な事例とその解決プロセスを紹介します。

事例1:12階建て高層マンションの非常階段対策

課題:12階から6階まで非常階段のH鋼上部に多数の鳩が巣を作り、大量の糞害と衛生問題が発生
解決法:専用設計の防鳥ネットと電気ショックを組み合わせて施工
結果:施工後、鳩の侵入が完全に防止され、定期清掃の負担も大幅に軽減
特記事項:消防法の規定に配慮し、緊急時には破れる特殊ネットを使用することで安全性を確保

事例2:ベランダ多発型の鳩被害マンション

課題:複数の住戸のベランダに鳩が住み着き、個別対応では効果が限定的だった
解決法:管理組合と連携し、マンション全体で統一した防鳥対策を実施
具体的手法:ベランダ天井部分への防鳥ネット設置
結果:対策後、マンション全体で鳩の飛来が95%以上減少し、新規の巣作りがゼロに
費用対効果:年間の清掃費用と修繕費用の削減により、2年で投資回収

事例3:大規模修繕と同時施工の鳩対策

課題:築15年の中規模マンションで、大規模修繕前に鳩対策も検討したいという要望
解決法:修繕設計の段階から参画し、修繕工事と鳩対策工事の統合プランを提案
具体的手法:足場設置のタイミングに合わせた効率的な施工計画と、修繕後の美観を損なわない製品選定
結果:単独で行う場合と比較して約20%のコスト削減を実現し、修繕と同時に全館の鳩対策を完了
特記事項:修繕業者との緊密な連携により、工程遅延なく完遂

特に難易度が高かった施工事例としては、複雑な形状の屋上や、歴史的な意匠を持つマンションでの対策があります。
こうしたケースでは、建物の特性を詳細に調査し、オーダーメイドの対策プランを立案。標準的な製品では対応できない場所には、現場で調整可能を使用するなど、きめ細かい対応で解決しています。

ビフォーアフターで劇的な改善があった事例として、ある超高層マンションでは、屋上部分に数百羽の鳩が住み着き、下階のベランダにまで糞害が及んでいました。総合的な対策を実施した結果、わずか数週間で鳩の飛来がほぼゼロになり、住民からは「まるで別のマンションになったよう」との声が寄せられました。

対策後の効果測定や検証方法としては、定期的な現地調査、住民アンケート、清掃頻度や費用の変化測定などを行っています。特に数値化できるデータ(鳩の飛来数、糞の量、清掃頻度など)を継続的に収集し、対策の効果を客観的に評価することで、必要に応じた調整や追加対策の提案につなげています。

日本鳩対策センターでは、施工後のアフターフォローも重視しており、定期的な点検や、季節変化に応じたメンテナンス提案など、長期的な視点での鳩対策をサポートしています。これにより、一度の対策で終わらせるのではなく、継続的に効果を維持・向上させる体制を整えています。

最終的には、マンションの価値向上にも貢献する鳩対策として、管理組合や管理会社と協力し、快適な住環境を長期的に維持するためのパートナーとしての役割を果たしています。
マンションは私たちの大切な住まいであり、資産です。鳩の被害から建物と住民の健康を守るために、適切な知識と対策が重要です。早期発見・早期対策が最も効果的かつ経済的な解決策であることを念頭に、状況に応じた最適な対応を行いましょう。

日本鳩対策センターでは、マンションの特性や状況に合わせた専門的なアドバイスと対策を提供しています。鳩問題でお困りの際は、ぜひご相談ください。

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